【症状ナビ】過敏性腸症候群<便秘、下痢、腹痛なら>
過敏性腸症候群
◆便秘、下痢、腹痛、膨満感でお困りなら◆
<過敏性腸症候群(IBS)とは>
慢性的な腹部の不快感と痛みを伴う再発性の胃腸機能障害(FGID)です。男性よりも女性が多く発症し、欧米諸国を中心とした世界各地で人口の約10%が過敏性腸症候群であると報告されています。
腸に器質的な問題はみられないことから胃腸の機能障害に分類されています。主な症状は便秘、下痢、または便秘と下痢を交互に繰り返し、膨満感や腹痛を伴うことが特徴です。生活の質(QOL)や仕事の生産性の低下が数多く報告されていますが、多様な要因によって発症するため、いまだ確立された治療法がないのが現状です。
サンスマイル八王子では、過敏性腸症候群でお困りの方を施術してきた経験から、頭蓋骨や背骨・骨盤の歪み、自律神経系、内分泌系、免疫系の機能低下、生活や食事の習慣、心理的ストレスと過敏性腸症候群の関わりが深いことを実感しております。
カウンセリングや検査を基に個人の体質に合わせた施術とアドバイスを行い、不調の改善をお手伝いさせて頂きます。
<過敏性腸症候群の診断基準>
ローマⅣ診断基準を参照
過去3カ月に平均して週に1日以上の頻度で再発性腹痛があり、以下の基準のうち2つ以上を有するもの。
1.排便に関連している
2.便の頻度の変化に関連している
3.便の形態(外観)の変化に関連している
診断前6ヶ月以上の症状発現を伴う過去3カ月間に基準を満たしたもの。
さらにブリストル便形状スケール(BSFS)を使用して便を評価すると大きく3つのタイプに分けられる。(排便習慣を変える下剤や抗下痢薬などを服用していない状態)
1.便秘を伴う過敏性腸症候群(IBS-C)。異常な便通時には便秘になりやすい(Type1またはType2)
2.下痢を伴う過敏性腸症候群(IBS-D)。異常な便通時には下痢になりやすい(Type6またType7)
3.便秘と下痢の両方を伴う過敏性腸症候群(IBS-M)。
異常な便通時には便秘と下痢の両方になる(便秘が4分の1以上、下痢が4分の1以上)
(Lacy BE, Mearin F, Chang L, et al. Bowel disorders. Gastroenterology 2016; 150: 1393–1407.)
<過敏性腸症候群の関連因子>
これまで論文報告されている関連因子として、腸内細菌叢の異常、不安や抑うつなど慢性的な心理的ストレス、内臓過敏症、食物不耐症などがあります。
腸内細菌叢の異常:
人の消化管には腸内細菌と呼ばれる数兆個の微生物が生息しています。腸内細菌の役割としては、大腸内で食物線維を発酵させ、腸内の上皮細胞にエネルギーと栄養素を供給しています。腸管上皮細胞はタンパク質であるムチンを産生し、粘液層を厚くすることで、細菌の侵入を防ぎ、免疫機能を維持しています。
腸内細菌の代謝産物である短鎖脂肪酸によって大腸内を酸性に保ち、病原菌の増殖を防いでいます。
しかし、食物繊維の不足などによって、腸内細菌の働きが低下すると、腸内のバリア機能がおち、病原菌が体内に侵入するため、炎症などの免疫異常が生じやすくなります。
過敏性腸症候群と診断された方の腸内細菌叢の異常が分かっており、上記のような免疫異常も原因の一つに挙げられています。
他にも過敏性腸症候群の約10%が細菌、寄生虫、ウイルスの感染性胃腸炎の後に始まることから、感染症による腸内細菌叢の変化が異常な腸機能につながると考えられています。
不安や抑うつなどの慢性的な心理的ストレス:
慢性的な心理的ストレスは過敏性腸症候群の発症や重症度に影響を与えます。特に不安と抑うつが過敏性腸症候群の重症度と相関があり、微生物の組成に影響を与えると論文報告がされています。
慢性的なストレスは乳酸菌、ビフィズス菌の減少と大腸菌や病原菌となる細菌の増加と関連があることが分かっています。
このようなメカニズムには、炎症性サイトカインの増加、腸管粘膜の破壊、視床下部-下垂体-副腎のホルモン分泌の増加が関与しています。
内臓過敏症:
内臓の知覚過敏は腹痛の主な要因として考えられています。知覚過敏の原因としては、免疫異常、セロトニン代謝異常、ストレスによって侵害受容器と呼ばれる痛みを感受するセンサーが過度に刺激され、腸管神経系のシグナルを乱すためと考えられています。
臨床試験では、内臓過敏症はバルーンの膨張によって客観化されています。バルーンを結腸遠位部、直腸に挿入し、結腸の感覚求心性神経終末を刺激するために膨張させて検査します。その後、被験者は痛みを視覚的アナログスケール(VAS)で評価します。過敏性腸症候群の方は胃腸に不調のない健康な方と比較すると痛みの感受性が高く、疼痛スコアが高いことが報告されています。
食物不耐症:
過敏性腸症候群を訴える方の50%以上は食物不耐症(乳製品、穀類、脂肪分など)があると推定されています。食物不耐症が様々な症状の引き金となっていることもあり、食事の変化は腸内細菌叢に大きな影響を与えています。
腸内細菌は代謝する過程で、有機酸、メタン、アンモニア、硫化水素などの代謝物を生成するため、食物不耐症に関わる食事内容により代謝物が過剰に増加することが胃腸の症状に関わっていると考えられています。
<脳腸相関>
脳と腸はお互いに情報のやり取りをしていることが分かっています。これを脳腸相関または脳-腸軸(GBA)と呼び、主に神経系、内分泌系、免疫系の3つのネットワークと使って情報交換をしています。このネットワークを利用して胃腸の適切な機能を保ち、ストレスに適応し、細菌やウイルスなどから身体を守っています。
実際には神経系、内分泌系、免疫系が同時に作用することで脳が腸にある免疫細胞や腸管上皮細胞の活動に影響を与えることができます。またこれらの細胞は腸内細菌叢の影響下にあることが分かっており、腸内細菌叢に対するプロバイオティクスを使った様々な研究が進んでいます。その中で腸内細菌叢から脳に与える影響が分かってきています。
最近の研究では腸内細菌がGABA、セロトニン、アセチルコリンなどの神経伝達物質の産生に関与し、脳など中枢神経系の活動に影響を与えることが報告されています。
他の研究でも腸内細菌叢のバランス不良と自閉症、不安、抑うつ症状や胃腸障害の関連性が報告されています。
このような脳と腸のネットワークの不具合が過敏性腸症候群の大きな要因であると考えられています。
<サーカディアンリズム(体内時計)と腸の関係>
起床、睡眠、食事、運動などの生活に必要な行動はサーカディアンリズムと呼ばれる体内時計に合わせて行われています。
地球の自転により、地球上には昼と夜がありますが、このような外部環境と人体内部の環境を合わせるための機構が人には備わっています。それがサーカディアンリズムです。
体内時計の調整は目の奥にある視交叉上核(脳)と臓器などの末梢組織のネットワークを介して行われています。
サーカディアンリズムとして分かりやすいものは覚醒と睡眠のサイクルが挙げられます。
覚醒のメカニズムとしては、視交叉上核への光刺激(主に太陽や電球の光)によって交感神経の活性化と副腎皮質ホルモンであるコルチゾールが分泌されることで覚醒が起こります。
反対に睡眠は視交叉上核への光刺激の減少に伴い、副交感神経の活性化と松果体ホルモンであるメラトニンが分泌されることで入眠することができます。
これまでの過敏性腸症候群の研究では、約30%の方が睡眠障害があることが報告されています。また別の複数の研究ではメラトニンを投与すると腹痛の改善がみられています。
メラトニンの分泌にはセロトニンが必要になりますが、セロトニンを分泌する細胞の90%以上が腸にあることが分かっています。このため、サーカディアンリズムの乱れや腸内環境の異常はセロトニンとメラトニンの分泌に影響を与え、過敏性腸症候群に関与すると考えられます。
<食事と過敏性腸症候群の関係>
英国NICEのガイドラインによると過敏性腸症候群の食事療法は、まず規則的な食事を行い、それでも改善しない場合、低FODMAP食を考慮することが記載されています。
規則的な食事とは
・規則正しいリズムで食事をし、咀嚼をしながら時間をかけて食べるようにする
・水分をしっかりとり、ノンカフェイン飲料を飲む
・炭酸など発泡性飲料やアルコールの量を減らす
・高繊維質の食品の摂取量を制限する
・小麦粉やパン、ふすまを多く含む穀物、玄米などの全粒粉穀物の摂取を控える
・レジスタントスターチの摂取量を減らす
・果物の摂取量を減らす(1日3回、1回80グラム)
・下痢症状のある場合、人工甘味料であるソルビトールを避ける。甘い物と飲み物に多く含まれる。
・腹部膨満感がある場合、オーツ麦(オーツ麦ベースの朝食のシリアルまたはお粥)と亜麻仁油(1日に大さじ1杯まで)が有益な場合がある。
低FODMAP食とは
オリゴ糖、二糖類、単糖類、ポリオール(FODMAP)を摂取すると膨満感、腹痛、その他の過敏性腸症候群の症状を引き起こす可能性があることを示す論文報告が増えてきています。
メカニズムにはFODMAPの浸透圧効果による小腸の保水量の増加、大腸細菌による急速な発酵が含まれ、腸管内の膨張を伴うガスと短鎖脂肪酸(SCFA)が産生され、異常な運動性の刺激が起こると考えられています。
実際にFODMAPを制限することで、腹部の不調が改善されたという報告が数多くされています。
<過敏性腸症候群でみられる消化管機能の低下に対する施術方法>
自律神経系アプローチ:
内臓は迷走神経と骨盤内臓神経など副交感神経によって活動が制御されています。副交感神経は内臓の感覚情報を脳に送っているため、内臓過敏になっている場合、迷走神経や骨盤内臓神経に関わる側頭骨や後頭骨、骨盤の歪みがよくみられます。これらの部位を矯正することで内臓感覚の正常化を図ります。
交感神経は侵害受容性の痛み情報を脳に送っています。腹痛が強い場合は交感神経が優位になるため、内臓神経と腸間膜神経に関わる胸椎から上部腰椎の歪みを矯正することが大切です。さらにLLLT(近赤外線光線療法)で腸間膜神経節への照射が交感神経の抑制・副交感神経の促進に有効です。
内分泌系アプローチ:
内分泌系は脳(視床下部-下垂体)を中枢として細胞を標的に作用するホルモンを分泌することで、全身的な生理機能や恒常性を常に維持しています。また末梢部である消化管には腸内分泌細胞と呼ばれる特殊な細胞が集まっています。
これらの腸内分泌細胞は消化管内の内容物を感知することで、ホルモンや神経伝達物質を産生・放出し、消化管機能を調節することができます。施術としては視床下部-下垂体の機能低下に関わる頭蓋骨の歪み矯正と消化管機能の低下に関わる内臓膜の固さを内臓マニピュレーションで改善していきます。
免疫系アプローチ:
腸など消化管は、身体の内部にありますが外部と接しているということで「内なる外」といわれています。主に食物の摂取に伴ってウイルスや細菌が消化管内に入り込みますが、このウイルスや細菌を察知し、退治する免疫機能が腸には備わっています。
これを粘膜バリアと呼び、化学的バリアと物理的バリアの2つに分けられます。小腸は抗菌ペプチドを分泌する細胞が多く、化学的バリアとして腸内の細菌または病原菌を死滅させることができます。
大腸は小腸よりも粘液を分泌する細胞が多く、粘液層が厚いため、物理的なバリアとして病原菌の侵入を防いでいます。腸管粘膜バリアを構成する小腸と大腸や全身的な免疫に関与する胸腺、脾臓、肝臓、副腎などの機能低下をアプライドキネシオロジーの視点で評価し、関連するポイントを施術いたします。
中医学・経絡アプローチ:
気(エネルギー)の通り道を経絡といいますが、気は経絡を通じてサーカディアンリズムのように24時間サイクルで五臓六腑を巡ります。時間帯によって気が充実する五臓六腑の場所が変化していくため、同じ時間帯に繰り返す不調は、その時間帯に関わる臓腑エネルギーの循環不良が関与している可能性があります。
経絡を巡る気にも種類があり、24時間サイクルで巡る気は、営気と呼ばれる五臓六腑に栄養分を送り届ける気と衛気と呼ばれる病邪をブロックする免疫の役割をする気があります。分かりやすく言い換えると不調が起こる時間帯に関わる臓腑の栄養が足りていないか、免疫力が低下して臓腑に病邪が侵入している、もしくは病邪と戦っている状態であると言えます。ツボを刺激することでエネルギー循環が促されますので、同じ時間帯に起こる不調の改善に役立ちます。
他にも五臓六腑と感情は深く関わっています。脾経-胃経は考えすぎ、肺経-大腸経は悲しみ、肝経-胆経は怒り・イライラ、心経-小腸経は喜び、腎経-膀胱経は恐れなど感情の高まりによって気が乱れ、五臓六腑の働きが低下します。社会生活など外的な要因で感情的ストレスが生じることもありますが、五臓六腑の機能低下が原因で生じる感情の変化など内的な要因でも感情的ストレスが強くなることがあります。
いずれの場合でも五臓六腑の働きが良くなることで感情的ストレスの緩和につながります。感情への別のアプローチとしてマインドフルネスが挙げられます。ストレスが多い過敏性腸症候群の被験者がマインドフルネスを行い、ストレスの減少効果が論文報告されています。
これを中医学的観点から考えると意識を感情以外に向けることで、気を乱すことが少なくなり、感情の落ち着きにつながると個人的には考えています。
便秘症対策について詳しいページはこちら・・・
★症状ナビ★
◆便秘・下痢の症例◆
【便秘の症例】便秘によるポッコリお腹、ウエストを引き締めたい
<内臓整体&カイロプラクティック> 施術料金
オーダーメイド・カイロプラクティック(アプライドキネシオロジー、頭蓋矯正など含む)
- 初回施術料 5,300円/50~60分(検査料と施術料込み)
- 2回目以降 施術料 5,800円/30分
*内臓整体、経絡治療、背骨の矯正、筋肉調整などを上記に含みます。
カイロプラクティック&中医学アプローチのダブルケア
- 初回施術料 7,400円/50~60分(検査料と施術料込み)
- 2回目以降 施術料 7,900円/30分
*便秘、胃痛、胸やけ、逆流性食道炎、冷え症、月経障害、生理の腰痛など、内臓機能の乱れと自律神経失調による不調でお悩みの際には、中医学を用いた経絡アプローチとカイロプラクティックの併用により、より早い回復の促進が期待できます。
*病院での検査データ(MRI、X線画像、血液検査など)について
お手元にある場合、施術の際に参考となりますので来院時にお持ちください。
WHO基準カイロプラクティック・内臓整体院
サンスマイル八王子
東京都八王子市子安町1-26-14-102
JR八王子駅南口徒歩5分、京王八王子駅徒歩10分
八王子みなみ野、相模原、橋本、日野、立川、高尾からもアクセス良好
お問い合わせ(完全予約制)
お電話でのお問い合わせはこちら

平日10:00~20:00土日祝10:00~19:00(木曜定休)