【手首の症例】 TFCC損傷による手首の痛み
右手首の痛みで来院
最近は肘と腕の痛みも感じる
病院ではTFCC損傷と言われた
八王子市在住 40代男性
【初回時の訴えとお悩み】
- 半年前に転倒して右手を地面に着いてから右手首の小指側にズキズキとする痛みを感じている
- レントゲンとMRIを撮影したところ、三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷と言われた
- 手を地面についたり、ドアノブをひねって扉を押すときに手首にズキっと痛みを感じる
- 自転車にのっているときにちょっとした段差でも上下の衝撃がハンドルを握っている手に伝わり、手首に痛みを感じるのがつらい
- パソコンのキーボードを打つとき、マウスを使つときにも、不意の動作で手首の痛みを感じる
- 手首の痛みをかばって手を背屈する動作、手首をまわる動作ができなくなった
- 手首の痛みをかばっていたせいか、最近は肘から腕にかけての痛みと首の痛みを感じるようになった
- 八王子、多摩、日野、立川周辺で、手の治療院・手首の整体を探して来院
【問診と検査】
- 姿勢:右肩が上がって巻き込んでいる。
- 手首の痛みをかばっているため、右手は軽度掌屈位・肘は軽度屈曲位で保っている。
- 可動域:右手首の伸展(背屈)が35度で制限される。通常は80~90度程度が正常範囲。右肩関節、鎖骨、肩甲骨の関節で可動制限
- 右手首の尺屈(小指側に曲げる動作)で痛みの誘発
- 筋力検査:回内方形筋、長掌筋、尺骨手根屈筋、肩関節外旋筋の筋力低下
- 筋肉:総指伸筋、背側骨間筋、上腕三頭筋、大円筋、上部僧帽筋、橈骨手根伸筋の筋緊張
- 関節の制限:近位橈尺関節および長軸方向の制限、肩関節・肩甲骨の制限、手根骨・手指の制限
- 関節の不安定性:手関節、三角骨の不安定性
- 血液循環:右上肢の動静脈、リンパ循環の低下の疑い
【施術】
- 関節の矯正:手根骨・肘・肩関節の矯正、頚椎・胸椎の矯正
- 伸縮性バンテージおよびサポーターによる手関節の固定
- 血行促進:上肢の筋肉リリースとLLLT(スーパーライザー)による血行促進
- 筋肉ケア:IASTMツール、percussorによる筋肉リリース、トリガーポイント治療
- 動作の指導:肩と腕の筋肉のストレッチ、手首の使い方指導
【施術のご感想】
- 慢性的な手首の痛みで悩んでいましたが、こちらで施術を受け始めてからは徐々に痛みがなくなり、腕や肩もとても楽になりました。無理をしなければ手首の痛みを感じることはなくなりました。車の運転をするとき、自転車にのったり、パソコン仕事をするときなど、日常生活の動作にも困ることがなくなり、本当に助かりました。
【担当コメント】
転倒して手を地面についてから手首の痛みでお悩みになられていたケースです。
TFCC(三角線維軟骨複合体)は、尺骨と手根骨の間(手の小指側、尺側といいます)にある関節円盤周辺の組織です。TFCCには、三角線維軟骨、半月板、尺側側副靭帯、手根骨靭帯、尺側手根伸筋の腱鞘などが含まれています。転倒や繰り返しの動作によって手を背屈するような何らかの外力を手首周辺に受けた後、手関節尺側の鈍痛を訴えるときには、TFCC損傷(三角線維軟骨複合体)の可能性を疑う必要があります。
手関節の圧迫負荷を伴う競技、特に手首の尺屈を伴うスポーツ(体操、ゴルフ、テニス、卓球、野球、サーフィン、ヨガ、クライミング、ボルダリング、スノーボードやスケボーの転倒、バイクや自転車)で、軟骨中央部を断裂することがあります。手の軟骨損傷をしやすい職業では、ウェイトレスやウェイターさんなどお盆で食べ物を運ぶ人、調理師・コックさん、パソコンを長時間使う人、歯科医師さんなど、手に負荷をかけるお仕事などが挙げられます。
手首の軟骨、膝の半月板、首や腰の椎間板など、軟骨組織の損傷が疑われる場合には、レントゲンだけではなく、MRI撮影によって損傷部位と損傷の程度を明確に把握することがとても大切です。軟骨組織の亀裂は、継続的な負荷がかかることで更なる亀裂の拡大を招く可能性があるので、損傷を防ぐための処置と組織回復のためのアプローチを適切に行うことが求められます。

線維軟骨を一度損傷してしまうと組織が治癒されにくいことが知られており、痛みが長期化することで首・肘・肩・手の指に二次的な障害を生むことが多々あります。通常は軟骨組織には動脈血管がなく、関節滑液やリンパ浸潤でのみ酸素や栄養素の供給がなされています。動脈血が供給されないために組織が回復するための代謝が不足するので、痛みの解消や組織の治癒に時間がかかるのが軟骨損傷の特徴です。
サンスマイル八王子では、最新のLLLT(Rumix2、Superlizer)を用いて、組織の細胞代謝促進のための患部照射、交感神経抑制のための星状神経節照射、血行促進とリンパ循環促進のための動脈照射を取り入れています。カイロプラクティックによる関節矯正は、運動神経の働きを正常化する作用があり、長期間の痛みの代償作用による間違った運動パターンのリセットを行うために非常に有効です。
IASTMツール、Percussorによる筋肉リリースも非常に効果的で、これらの筋肉ケアを行うことで血液循環が促され、痛みの原因となるケミカルメディエーター(ブラジキニンや乳酸などの発痛物質)などの老廃物除去にも間接的に作用します。
TFCCや手の腱鞘炎がある場合には、手首の関節に不安定性があり、手根骨(8個ある手のひらの骨)や指関節の柔軟性の低下、肩や肘の柔軟性低下が診られることが多々あります。この場合には、伸縮性のバンテージと専用のサポーターを用いて一定期間は関節を固定することをおすすめします。
サポーターを長期間することは筋力低下と組織の癒着を招く可能性があるため、通常は2~3週程度、長くても数週間程度で徐々に使用頻度を減らしながら、筋力の強化と可動域の改善を促す施術を行ないます。今回はケースでは、6回ほどの施術で強い痛みを感じることがなくなり、12回ほどの施術後には車の運転や自転車、ドアノブなどの動作で痛みを感じることがなくなりました。その後は使用頻度に合わせて、月に一回程度の定期的なケアを受けていただいています。
手首や手は毎日使わないことはないので、慢性化したり再発しやすいつらいお悩みだと思います。これまでにも、手の骨折後の疼痛障害(RSD、CRPS、反射性交感神経性ジストロフィー)、腱鞘炎・ドケルバン症、TFCC損傷、手根管症候群などの方がたくさんご来院されています。つらい痛みや動きの低下は無理に我慢せず、一度ご相談いただきたいと思います。
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