【手の症例】 ギヨン管症候群、小指のしびれ
小指のしびれと握力の低下で来院
尺骨神経管障害・ギヨン管症候群の疑い
ドアノブを押す時、自転車に乗る時に手がしびれる
多摩市在住 40代男性 システムエンジニア
【訴えと症状】
- 2カ月前から右手の小指のしびれ、手の痛みを感じる
- ドアノブを捻って押すとき、扉を押してあけるときに強い痛みを感じる
- 手首を背屈(手首を反らす)するとしびれが強くなるので、なるべく避けている
- 普段はパソコン仕事をしているが、週末にDIYで日曜大工をすることが多い
- 指と手のしびれで、カナヅチとハンマーを叩くことが出来なくなった
- 最近はパソコンの入力をしていると手がつらくなるため仕事もできないほど痛みを感じる
- 病院でレントゲンを撮ったが特に大きな問題は見つからなかった
- 八王子、多摩、立川周辺の手の整体、神経痛の治療院を探して来院
【検査所見】
- 姿勢:顎を前に突き出した姿勢、頭頚部が体幹よりも前方に位置する、猫背
- 整形外科検査:ギヨン管のチネルテストで陽性(小指のしびれが誘発)、手首の背屈+橈屈でしびれの誘発、手の痛みのために床に手を突く動作ができない。
- 神経学検査:小指の感覚鈍麻
- 可動域検査:小指と親指をうまく合わせることができない。下部頚椎と胸椎の可動制限
- 筋力検査:小指の屈筋、小指対立筋、母指内転筋の筋力低下
- 筋肉:上腕三頭筋、上腕二頭筋、手根伸筋の緊張と圧痛
- 関節:有鉤骨、MP関節、近位橈尺関節、下部頚椎、肩甲骨の可動制限。豆状骨の不安定性
- 血行状態:上肢の血行不良の疑い、特に上腕と前腕尺側の冷え感があり赤みが薄い
【施術とアドバイス】
- 下部頚椎と胸椎の矯正、手と肘の関節矯正(有鉤骨、MP関節:中手指節関節、近位橈尺関節など
- LLLT(Super lizer)とpercussorを用いた腕と肘まわりの筋肉リリース、血行促進
- Rumix2照射:星状神経節を通じて交感神経抑制、ギヨン管周辺の結合組織リリース
- 小指と親指の運動のリハビリ指導
- 肩甲骨まわりのモビリゼーションとストレッチ、リンパドレナージュ
- パソコンのキーボードを打つときの正しい姿勢指導
【施術の感想】
- カイロプラクティックを受けるのは初めてでしたが、手のしびれの原因について詳しく説明をしてもらい、とても安心して施術をお任せすることが出来ました。施術を行うたびに、手を反らすのが苦ではなくなり、指のしびれも良くなっていくのを実感しました。
- パソコンの前に一日座って、キーボードを打つ仕事をしているので、以前から姿勢が悪いと思っていました。カイロプラクティック・整体で背骨を矯正していただくと、背すじが楽に伸ばせるようになり、座る姿勢が良くなるのを実感します。
- 趣味で家具作りや庭の手入れをすることがあり、トンカチや大きなハンマーを使うことがありますが、それが手の痛みの原因になっていたようで、今後は電動器具などをうまく使って、再発しないように気をつけたいと思います。
【コメント】
小指のしびれ、手の痛み、つまむ動作の困難を訴えてご来院されたケースです。小指のしびれの直接的な原因としては、ギヨン管症候群という尺骨神経の障害が疑われました。手の小指側の感覚と運動を支配する尺骨神経は、豆状骨と有鉤骨の間にあるギヨン管(Guyon’s Canal)を通過する際に圧迫されて障害されることがあります。
手の背屈動作をすると小指と薬指にしびれを感じたり、母指と小指を近づけることが難しくなるのが、このギヨン管症候群の特徴です。
ギヨン管症候群を起こしやすい特徴
◆パソコンの入力を頻繁に行うキーパンチャー・システムエンジニア・プログラマー
◆ハンマーや金槌ちをよく使う職業や趣味
◆長時間自転車に乗ってハンドルに体重をかける
◆ヨガのハンドスタンド
◆腕立て伏せやベンチプレスなどのトレーニング
◆ドアを押す動作など
上記のような手首を反らす動作、手のひらに強い力かける動作を繰り返し行なったときに尺骨神経が牽引され、ギヨン管周辺で神経を損傷する可能性が高くなります。
ギヨン管症候群になる方で多く診られるのは顎を前に突き出して座る姿勢で、この際に頭だけが体の前方に位置するため、下部頚椎に過度な負荷がかかっています。
尺骨神経は、下部頚椎(C7、C8、T1)から神経が出ているために、この下部頚椎にゆがみ(カイロプラクティックでは、関節機能障害と呼びます)が起こり易いタイプの人では、このような顎を突き出す姿勢をよく観察します。そのため、下部頚椎や上部胸椎に慢性的なゆがみを抱えている人では、尺骨神経・橈骨神経・正中神経などの手や指のまわりの神経の情報伝達が低下しやすくなり、手根管症候群やギヨン管症候群など手の神経痛を起こす可能性が非常に高くなります。
今回は、カイロプラクティックの関節矯正による脊椎矯正、手根骨と肘の関節矯正、肘と前腕部の筋肉治療、LLLTによる患部となるギヨン管周辺の結合組織リリース、上肢帯から手首にかけての血行促進などを総合的に行い、神経伝達機能の促進、神経細胞の炎症回復と組織治癒促進を目指して施術を行いました。6回ほどの施術後(週に2回で3週間を実施)には手のしびれと神経痛もほとんどなくなり、その後も月に1~2回程度はメンテナンスのためにご来院されています。
不良姿勢時にパソコン仕事を長年続けていると、手や指の障害、肩や首の痛み、頭痛、目や耳の不調などにつながることが多いため、手の状態が良くなってからも、定期的な背骨のバランスチェックを行っていただき、これまでよりも良い姿勢と正しい動作パターンを身につけることができたということで、私もとても嬉しく思います。
手のしびれ、手指の神経痛についてその他のページはこちら…
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