【手の症例】 肘部管・尺骨神経障害による小指のしびれ
肘部管症候群、尺骨神経障害で来院
右手の神経痛、小指と薬指の痛み
手のアーチが変形している
肘を曲げると小指がしびれる
八王子市在住 50代男性 公務員
【訴えと症状】
- 4か月くらい前から右手の小指側にしびれを感じるようになった
- 小指と薬指の小指側にもしびれとビリビリした痛みを感じる
- 右肘を完全に曲げるとしびれが強くなり、肘を伸ばしている時の方が楽になる
- 最近は右手の握力が弱くなり、こぶしを強く握ることが出来ない
- 普段の休みの日は柔道の練習と草野球をやっていたが、今は手のしびれのためにしばらく休んでいる
- 手の形が変わってきたように見えて、手のひらの筋肉が少なくなったような気がする
- 20代の頃に右肘の骨を骨折したことがある
- 八王子、日野、多摩、立川周辺の整体・手の治療院を探して来院
【検査所見】
- 姿勢:右肩が高い、肘を伸ばして手のしびれをかばっている。
- 右は鉤爪手変形→MP関節の過伸展、IP関節の部分屈曲を生じている。
- 整形外科検査:チネルテスト、フローマン兆候が陽性(肘の内側を軽くたたくと小指がしびれる)
- 神経学検査:小指、薬指、手のひらの小指側で感覚の低下、瞳孔・眼球運動のチェックでは右交感神経の亢進所見が診られる。
- 可動域:MP関節の屈曲制限、IP関節の伸展制限、肘関節の不安定性、肩関節の可動制限
- 頚椎と胸椎の可動性
- 筋力検査:母指内転筋、手の内在筋(骨間筋)の筋力低下
- 筋肉:長母指屈筋の筋緊張、上腕三頭筋の筋緊張、骨間筋と母指内転筋の筋委縮
- 関節:下部頚椎と上部胸椎の可動制限、MP関節・IP関節の可動制限、腕尺関節の不安定性、肩関節と橈尺関節の可動制限
- 血行状態:右上腕動脈・鎖骨下動脈の血流低下の疑い、右上肢のリンパ循環低下
【施術とアドバイス】
- 関節矯正:肩関節、橈尺関節、頚椎、胸椎、指の関節のゆがみ矯正
- 筋肉ケア:長母指屈筋、上腕三頭筋のリリース
- リハビリ運動指導:手の内在筋の促通、母指内転筋の収縮運動
- 血行促進:percussorによる右上腕動脈の血流促進、右上肢のリンパドレナージュ
- LLLT照射:星状神経節より自律神経アプローチ、肘部管周辺の温熱緩和
【施術の感想】
- 施術を受けるごとに手のしびれが良くなり、少しずつ握力も回復して手が使いやすくなりました。手のリハビリ運動も教えていただき、いまは柔道と野球の練習にも参加できるまでに回復しました。
- 一時期はもうスポーツが出来なくなるのではと不安になっていましたが、お陰さまで肘を動かしても神経痛が出ることがなくなり、手の状態が本当に良くなりました。
【コメント】
肘部管症候群による尺骨神経障害(尺骨神経麻痺)で手と小指のしびれを訴えてご来院されたケースです。
尺骨神経障害で神経咬扼がある場合、小指や薬指・手の小指側のしびれ、母指の内転筋麻痺によるつまむ動作の能力低下、手の内在筋麻痺による握力の低下などの訴えを段階的に発症する傾向があります。
過去に肘周辺のケガ(打撲、靱帯損傷、骨折など)を経験している方、肘を酷使するスポーツの愛好家(柔道、野球、バトミントン、バレーボール、テニス、卓球、ハンドボール、体操、水泳など)、農作業や力仕事など重たいものを繰り返し振り上げる動作などで発症する可能性が高くなるのが、この肘部管症候群(尺骨神経障害)の特徴です。
尺骨神経は下部頚椎の椎間孔を出口にして、鎖骨の裏から脇の下を通り、肘の内側を通過して手首の小指側から小指と薬指に分布する末梢神経です。小指と薬指の感覚神経および、母指内転筋と骨間筋の運動神経を司っています。尺骨神経障害の人では、母指のつまみ動作の低下を起こすことが多く、この筋力低下を代償するために長母指屈筋の過使用を生じることがよく観察されます。
尺骨神経障害により手の内在筋(背側骨間筋、掌側骨間筋)に麻痺を生じると、MP関節(中手指節関節)の過伸展とIP関節(指節間関節)の部分屈曲を生じ、かぎ爪変形を示すことがあります。
肘部管は、肘の内側にあり尺骨神経が通る空間のことを示しており、上腕骨と尺骨に付着する内側側副靭帯の一部・尺側手根屈筋腱・オズボーンバンド(Osborne band)などの結合組織によって構成されています。上腕骨内側上顆の後面(尺骨神経溝)を通過した尺骨神経は、肘部管から尺側手根屈筋に沿って走行し、手首まで伸びています。肘部管を構成する靭帯や筋膜などの結合組織の肥厚、靭帯の損傷、ガングリオン、骨棘などは尺骨神経を咬扼し、神経の過敏性と炎症を引き起こすことがあり、これが小指のしびれや親指の麻痺などの原因になります。
肘部管の症候群の症状は、肘を曲げると小指の先がピリピリとしびれたり、逆に肘を伸ばしていると指の神経痛が楽になるという徴候があり、肘の内側をトントンと叩くと、神経痛が誘発されることが多いことが特徴です。サンスマイル八王子では、尺骨神経の通り道(下部頚椎、鎖骨、肩、肘、手首、手根骨など)における筋肉のバランス、関節の可動域とゆがみ、血液循環の状態、自律神経の働きなどを機能的に評価し、神経痛が起きている原因を解消するお手伝いを行っています。
骨棘やガングリオンなどの組織的な変性がある場合には、まずレントゲンやエコーによる画像検査を受けていただくことが優先です。カイロプラクティックのアプローチでは、神経の通り道を解放し、周辺の血液循環促進、自律神経機能の改善による疼痛コントロール、筋肉バランスの調整などを行い、神経痛の解消と上肢帯全体の機能改善を目指します。神経痛が慢性化すると閾値の低下による痛みの増強、運動パターンの変化、麻痺による筋委縮などを起こすことがあるので、原因の究明と解決を早めに行っておくことが大切です。
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