【手の症例】 手根管症候群、手と指のしびれ
手のしびれと痛みで来院
右手の母指・人差し指・中指のしびれ
手根管症候群の疑い
多摩市在住 50代女性 会社員
【訴えと症状】
- 3ヶ月くらい前から手を酷使する仕事をするようになり、その頃から右手のしびれと痛みを感じている
- 朝起きた時にしびれと痛みが強くなり、夜寝ているときも手の痛みで寝つけないことがある
- 手をかばっているせいか、最近は肩こりと首の痛みも以前より強くなったと思う
- 最近、小銭をつまんだり、ボタンをかけること、箸をもつことが難しいと感じるようになった
- 整形外科では手根管症候群と言われた
- 更年期障害のホルモン治療のために一年前から婦人科に通っている
- 八王子の知人に紹介されて来院

【検査所見】
- 姿勢と視診:手をかばって、右肘をまげて左手で右手を抱えている。頭部と肩は右側が高い。母指と他の指を近づける動き(つまむ動作)がしづらい。
- 整形外科検査:ファレンテスト、チネルテストで陽性、指のしびれを強く感じる。
- 神経学検査:親指、人差し指、中指、薬指の感覚鈍麻
- 可動域:頸椎の可動低下、肩関節・肩甲骨の柔軟性低下、指の可動域低下
- 筋力検査:短母指内転筋、短母指屈筋、母指対立筋の筋力低下
- 靭帯:右手の屈筋支帯の緊張
- 筋肉:長母指屈筋・浅指屈筋・深指屈筋・大円筋の緊張、母指内転筋・母指対立筋の筋委縮で右親指の付け根が細くなっている
- 関節:有鉤骨、大菱形骨の可動制限、肩関節の可動制限、下部頸椎の可動制限
- 血行状態:右上肢動静脈、リンパ循環の低下
【施術とアドバイス】
- 有鉤骨・大菱形骨など手の関節の関節アジャストメント、下部頚椎の関節矯正、肩甲骨のモビリゼーション、肩関節の矯正
- 右肩~腕、肘から手にかけての血行促進のためにpercussorによる筋肉リリース
- LLLTによる手首照射(手根部から手指まで)
- IASTMツール・起始停止テクニックによる長母指屈筋・浅指屈筋・深指屈筋の筋肉リリース
- 母指内転筋、母指屈筋、母指対立筋のリハビリ(ボールを用いた筋の収縮運動)
【施術の感想】
- 施術を重ねるごとに手のしびれと痛みが楽になり、夜も痛みを感じることはなくなりました。箸をもったり、ボタンをかける動作もいまでは問題なくできるようになりました。
- 更年期のホルモンバランスが手首の痛みと関係することが知らなかったので、痛みの原因がわかったことで漠然とあった不安が解消されて、とても助かりました。
【コメント】
手根管症候群で正中神経の神経障害によって、手と指のしびれを訴えてご来院されたケースです。正中神経は、母指、示指、中指、薬指(親指側のみ)の知覚をつかさどる神経で、手首のやや遠位にある手根管という構造を通過して指に神経を分布しています。
手根管の底部は手根骨とそれを覆う靭帯と関節包で、この空間にふたをする役目をもつ屈筋支帯が親指側で舟状骨・大菱形骨に、小指側で豆状骨・有鉤骨に付着しています。
この正中神経に加えて、第2~4指を曲げる動作を担う浅指屈筋と深指屈筋、親指を曲げるための長母指屈筋腱などが手根管を通過します。
手を酷使するお仕事、パソコンのキーボード作業、家事などで手を繰り返し使用するときには、腱鞘炎などの組織腫脹が手根管内部で生じ、正中神経が圧迫される可能性があります。手根管症候群のような末梢神経の絞扼障害では、支配領域の感覚、運動神経の伝達異常、血行不良などが生じるため、しびれや痛みを感じることに始まり、さらに障害が進行すると運動機能の低下や筋肉の委縮を生じる可能性があります。

末梢神経障害の特徴としては、最初にしびれや痛みを感じるようになり、徐々に筋力の低下や動作のしづらさを自覚するようになります。この期間に神経機能の低下が進行すると、脳と末梢組織(この場合には手や指などの筋肉や関節)の情報を伝達する運動神経と感覚神経に大きなズレが生じてしまいます。
いったん委縮してしまった筋肉が元のように強い筋力を回復するには、かなりの時間を要するため、神経痛は早期に解決しておくことがとても大切です。一度低下した神経の働きは、自動的に回復できることはほとんどないため、痛みの原因の解消に加えて、カイロプラクティックの関節アジャストメントとリハビリを実施し、運動神経と感覚神経の機能回復を行うことがとても重要です。
カイロプラクティックの関節矯正を行うと感覚神経の伝達速度の改善、運動神経の機能向上、自律神経の機能改善がなされることが多くの研究でも明らかになっています。カイロプラクティック・整体の筋肉ケアでは、血行促進を行い組織の損傷部位の治癒を促す効果も期待できます。
頸椎症、頚椎椎間板ヘルニアなどの頚部の神経障害を既往でお持ちの方の場合には、手根管症候群による手のしびれの発症が高まるとも言われています。疼痛閾値の低下、交感神経の亢進、血液循環の低下が神経痛をより強くするため、脳の視床下部の血流を促し、閾値コントロールすることが有効なアプローチとなります。その場合には、LLLT星状神経節照射による視床下部血流の促進と疼痛閾値のコントロールをおすすめします。LLLTは非侵襲性で副作用がほとんどないため、鎮痛剤に頼りたくないという方にもおすすめします。
手根管症候群になりやすい方の特徴としては、糖尿病の既往のある方、妊婦さん、産後の女性、更年期を迎えた方などで、日常的に手を酷使していることが挙げられます。これまで手根管症候群でご来院された方の中でも多くの方がしびれの改善と指の動作の向上を得られています。原因となる関節のゆがみ、筋力バランスなどをきちんと整え、痛みを根本的に解決できる身体環境を整えてあげることがとても大切です。
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