【野球肩の症例】投球後の肩関節痛
慢性の野球肩で来院
投球のときに肩関節に痛みを感じる
座り仕事で猫背になりやすい
20代 男性 多摩市在住 システムエンジニア
【痛みと状態】
- 数年前からボールを投げるときに右肩の痛みを感じるようになった
- 硬式野球から軟式野球に転向し、その頃から肩に痛みを感じるようになった
- 小学校~高校まで野球を12年間やっていた
- 野球の試合では、ピッチャーや外野を守ることが多い
- 以前よりも背骨や肩甲骨の動きが固くなったことを自覚
- 整形外科の画像検査では特に異常が見つからなかった
- 以前に友人がスポーツ・カイロプラクティックを受けことを聞き、サンスマイル八王子に来院
【検査】
- 姿勢検査:右肩甲骨挙上変位、右上腕骨頭前方変位
- 上肢の可動域検査 (肩の外旋制限、肩甲骨内転制限)
- 肩の整形外科検査:ローテーターカフの痛みを誘発
- 棘下筋、下部僧帽筋の筋力低下
- 大胸筋、肩甲下筋、小円筋の過緊張
- 上部胸椎、頚椎、胸郭、肋骨の柔軟性低下
- 骨盤、股関節の伸展可動域低下
【施術】
- 背骨(頚椎、胸椎)の矯正
- 骨盤矯正、股関節のストレッチ
- 胸郭、肋骨のモビリゼーション
- 大胸筋、肩甲下筋、小円筋の筋肉調整
- 棘下筋、下部僧帽筋の筋力強化リハビリ指導
- 体幹をしっかり使った投球フォームの練習
【施術後の感想】
- カイロプラクティックの施術と酸素カプセルを同時に体験しました。施術を受けたあとは肩のまわりが軽くなり、腕を上げやすくなることがわかります。
- 数回の施術で肩の痛みはすっかりなくなり、以前のように野球を楽しめるようになりました。
- 今後は定期的に通い、肩まわりや背骨のメンテナンスを受けて、柔軟な身体を維持したいと思っています。
【担当のコメント】
ローテータカフの機能低下と、肩、肩甲骨、胸郭まわりの運動異常が原因となり、肩の痛みを発症していたようです。
肩甲骨まわりとローテーターカフの筋アンバランスの正常化、肩関節の運動パターンの改善、背骨と肩の運動協調を正しい状態に回復するように施術を行ったところ、数回の施術で肩の痛みを回復されて、本当に良かったと思います。
ローテーターカフ(回旋腱板)の役割は、肩甲上腕の関節運動の誘導、肩甲上腕関節の安定化、上腕骨頭の前後方向の偏位を制御という3つの役割を担うと言われています。今回はこのローテーターカフの働きが低下しており、肩の痛みの背景には次のような要因があると考えられました。

ローテーターカフの機能異常の要因
- 背骨(頚椎、上部胸椎)の歪みと柔軟性低下
- 肩甲骨の変位(肩甲骨が上方・外方にズレている)
- 肩甲骨の筋アンバランス(大胸筋・上部僧帽筋の過緊張、下部僧帽筋の筋力低下)
- 背骨と肩関節の連動性低下
肩関節はもともと不安定な関節構造をしており、投球モーションの繰り返しや肩関節の挙上運動など反復動作によって、周辺組織(筋肉、関節包、靭帯)や関節に負担がかかり、損傷を受けやすい関節です。肩関節の安定化に働くローテーターカフなど、インナーマッスルの働きが低下すると肩関節がより不安定になり、野球肩のような肩関節痛を誘発しやすくなります。
普段はパソコンに長時間向き合うデスクワークに携わっておられるとのことで、背骨や肩甲骨の柔軟性低下、猫背姿勢による頚部への負担、肩甲骨と肩の上方前方変位などを生じていたことも肩の痛みを起こす要因となっていたようです。肩甲骨の変位(位置のズレ)が起こると、肩関節の運動パターンに異常を起こしやすくなるため、肩の関節包・靭帯・筋肉など周辺組織に余分なストレスを生みやすくなり、これが痛みの原因となります。

平日はお仕事でデスクに座りっぱなし、運動をするのは休日のみという方が多いことも、スポーツ障害が増えていることの背景にあります。座りっぱなしのお仕事では、猫背になったり、身体の柔軟性が低下することが多く、定期的にストレッチや肩まわりの筋力強化を行うことが必要となります。
今回は、カイロプラクティックケアにによる施術の後に、肩甲骨や胸郭まわりのストレッチ、ゴムバンドを用いたインナーマッスルの強化(主にローテーターカフのリハビリ)、正しいの姿勢の指導などを行い、ご自宅でもセルフエクササイズを行っていただくようにアドバイスさせていただきました。
肩を痛めることが多いスポーツとしては、野球の他にもテニス、バトミントン、卓球、ハンドボールなどの球技がありますが、そういったスポーツの選手も当院にはこれまでにたくさんご来院されています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。野球肩などスポーツの痛み、ケガなどのお困りの方はお気軽にご相談ください。
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