【野球肩の症例】肩の痛みで投げるときに肩が抜けそう
数年前に発症した野球肩の痛み
ボールリリースの瞬間に肩が抜けるような感じ
股関節、背骨が硬い
ルーズショルダーの疑い
30代男性 会社員 八王子市在住
【痛みと状態】
- ボールを離した瞬間に肩が抜けるように感じる
- 数年前から肩の痛みを我慢しながら野球を続けている
- 以前から股関節や背骨の硬さを自覚している
- 中学生のころから肩の強さには自信があった
- 野球のボールを投げると数分間は肩関節痛が残る
- マッサージや整骨院で電気治療を受けたが変化がなかった
- 多摩周辺のスポーツ整体を探して、サンスマイル八王子に来院
【検査】
- 投球運動の分析:
- 股関節や足首など下半身の硬さが診られ、上半身の力に頼ってボールを投げている。
- コッキング期で胸郭のしなりが少ない。胸椎と肋骨の可動制限。
- 加速期の体幹回旋と股関節に制限がある。体重が投球方向に乗り切らない。
- 肩甲上腕関節の不安定性あり
- 肩甲胸郭関節の可動域低下(肩甲骨の動きが硬い)
- 肩甲骨外側の筋緊張、ローテーターカフの筋力低下
- 痛みの部位である肩峰下周囲の浮腫(むくみ)
- 背骨(頚椎、胸椎)と肋骨の柔軟性低下
- 足首と股関節の柔軟性低下
【施術】
- 背骨、骨盤、胸郭のゆがみを矯正
- 足首と足関節の矯正、固有受容器のトレーニング
- 股関節のストレッチ
- 体幹トレーニングの指導
- 肩まわりのIASTM筋トリートメント、回旋筋腱板(ローテータカフ)強化
- 上肢運動パターンのリハビリ
- 投球時の体重移動の訓練
【施術後の感想】
- 肩や腕の筋力に頼ってボールを投げていたことを指摘してもらい、ボールを投げるときに肩だけを酷使していたことを痛感しました。
- 体幹や下半身の使い方、肩に負担がかからない投げ方を丁寧に教えていただけで、すごいわかりやすかったです。
- カイロプラクティックの施術をしていただいたことで、今まで使えてなかった部分が使えるようになった感じがします。
- つらかった肩の痛みが良くなり、以前のように野球を楽しんでいます
【担当のコメント】
数年前から投球後に肩の痛みを感じるようになり、最近では肩関節が抜けそうな感覚がするという訴え(ルーズショルダーの疑い)でご来院されたケースです。野球肩や野球肘の障害を訴える選手に対する治療としては、肩や肘に無理な負荷をかけている他部位の運動機能を向上することが非常に大切だと思います。
今回のケースでは、股関節・足首の可動域の低下、背骨と肋骨など胸郭の柔軟性の低下などが背景にあり、肩甲上腕関節への無理な負荷がかかっていたことが、投球時の肩の障害に影響していることが疑われました。
野球のボールを投げるために必要となる運動エネルギーの約80%が下半身と体幹からつくられています。
そのため、股関節や足首の柔軟性が低下していたり、体幹との連動性が少ないときには、上半身や腕の力に頼った無理な投げ方、いわゆる“手投げ”になりやすくなります。この方の場合、腕や肩まわりの筋力が強く、逆に下半身の筋力が弱っていることが問題と考えました。実際に投球動作を診てみると、肩関節に負担がかかりやすい手投げの投球フォームをされており、投球によって肩関節に慢性的なストレスをかけていたことが読み取れました。
投球動作にかかわる機能のいずれかで、可動域の減少や筋力の低下など機能的な障害が起きているときには、それが投球動作全体に波及し、運動連鎖上の障害や代償機能による局所のオーバーワークが生じます。今回も体幹の回旋運動や伸展運動において、可動域の減少が診られ、股関節や足首の硬さも目立っていました。胸をそらす動作、体をひねる動作、深くかがむときにかかとを地面につけておく動作などが苦手な様子で、それが投球のときに肩関節へ強い負荷をかけている要因と考えられました。

今回は、カイロプラクティックケアによる関節の歪み矯正、IASTM筋トリートメント、筋膜リリース、ローテーターカフ(棘下筋、棘上筋)の筋力強化トレーニング、関節のストレッチなどを段階的に行い、痛みの緩和レベルに応じて、全身の機能改善を促すための施術を行いました。肩まわりの筋力が強化されたことにより、肩関節の安定性が増してきたことを自覚されていました。
体幹と股関節の柔軟性が向上し、体幹が安定してきた段階で、投球による肩への負荷が大きく減少し、肩の痛みを感じることがなくなったということでした。つらい野球肩の痛みを克服されて、以前のように野球を楽しむことができるようになり、大変喜ばれており、とても良かったと思います。
投球のパフォーマンス向上のために
野球肩、野球肘を抱えている野球選手の多くは、足首・足の指・膝・股関節などの下肢、背骨・肋骨肩甲骨・鎖骨など、関節の柔軟性が低下し、体幹まわりのインナーマッスルの筋力低下を起こしていることが非常に多いです。関節の歪みや筋肉のアンバランスが放置されてしまうと、それが運動異常を起こし、ケガを起こす原因へと発展してしまうことがあります。
例としては、股関節周囲の筋肉が硬くあぐらがかけない、開脚が苦手、スクワットや片足立ちが安定しない、普段の姿勢が猫背で体を反らすことが苦手などの訴えをよく伺います。このように下肢の機能の低下があるときには、下半身や体幹からのエネルギー出力が低下し、肘や肩にケガを起こしやすくなるばかりか、投球やバッティングなど運動のパフォーマンスにも悪影響が出てしまいます。
下半身のコンディションニング不良
◯股関節と足首の柔軟性低下
◯体幹部の弱化
◯足底、骨盤部の固有受容器低下(運動感覚の低下)
上半身のコンディションニング不良
◯ローテータカフの筋力低下
◯胸椎、肋骨の可動制限
◯肩甲骨、鎖骨の可動制限
上記の項目で当てはまるものが多いほど、機能障害になり得るケースが多く、そのままスポーツを続けることによって関節や筋肉にかかる機械的ストレスが大きくなり、運動パファーマンスの低下とケガをするリスクにも繋がります。「今までの症状とは違う肩の違和感」、「時間が経過しても改善がみられない」、「肩が抜けそうな感じがする」などの場合には、痛みが慢性化して他の部位に大きな影響が出てしまう前に、施術によってお体をしっかり整えてあげることが大切です。
お電話でのご相談も承っておりますので、お気軽にサンスマイル八王子カイロプラクティックまでお問い合わせください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
お問い合わせ(完全予約制)
お電話でのお問い合わせはこちら

平日10:00~20:00土日祝10:00~19:00(木曜定休)